
「アパートの屋根を有効活用して、家賃以外の収入を増やせないだろうか?」
空室や修繕費、電気代の値上がりなど、アパート経営にはさまざまな負担があります。家賃を簡単に上げられない状況では、毎月の支出を減らすことも重要です。
そこで選択肢になるのが、アパートの屋根への太陽光発電の設置です。
発電した電気を売電して収入を得るだけでなく、共用廊下や階段、駐車場などの電気代を削減できる可能性があります。削減した費用を共益費の引き下げに活用すれば、物件の競争力を高めることにもつながります。
ただし、アパートの太陽光発電は10kW未満と10kW以上で売電制度が異なり、設備を大きくすれば必ず儲かるわけではありません。
この記事では、アパートオーナーに向けて、売電収入、住宅用と産業用の違い、節税、共益費の削減、蓄電池の必要性まで解説します。
アパートの屋根に太陽光発電を設置する3つのメリット
アパートの太陽光発電には、売電収入だけでなく、賃貸経営の支出を抑えるというメリットがあります。
売電収入で家賃以外の収益源を確保できる
アパート経営の主な収入源は家賃ですが、空室が発生すると収入が減ってしまいます。
太陽光発電を設置すれば、発電した電気のうち売電できる分について、家賃とは別の収入を得られます。
もちろん、天候や設備の状態によって発電量は変動します。それでも、屋根という既存のスペースを活用して収入源を増やせる点はメリットです。
ただし、売電収入だけを見るのではなく、設置費用や維持管理費を差し引いた収益を確認する必要があります。
共用部分の電気代を削減できる
アパートでは、各部屋とは別に共用部分でも電気を使用しています。
- 共用廊下や階段の照明
- 駐車場や外灯の照明
- エレベーター
- 給水ポンプ
- 防犯カメラなどの共用設備
太陽光発電の電気をこれらの設備で使用できれば、電力会社から購入する電力量を減らせます。
ただし、共用照明は夜間の使用が中心になることもあります。昼間に発電する太陽光発電との相性を考え、実際にどの設備で自家消費できるかを確認することが重要です。
減価償却による節税効果が期待できる
賃貸事業に使用する太陽光発電設備は、税務上の要件を満たせば減価償却の対象となります。
減価償却とは、設備の取得費用を一定期間に分けて経費に計上する仕組みです。
減価償却費によって課税所得が減少すれば、所得税や法人税などの負担が軽くなる可能性があります。
ただし、設備を購入した金額がそのまま税金から差し引かれるわけではありません。
売電や自家消費の用途、個人・法人の所有形態などによって税務上の扱いが変わるため、導入前に税理士へ確認しましょう。
アパートの太陽光発電は10kW未満と10kW以上で何が違う?
アパートの屋根に太陽光発電を設置する際、最初に確認したいのが設備容量です。
太陽光発電は一般的に、10kW未満を住宅用、10kW以上を事業用(産業用)として区分します。
アパートは住宅ですが、屋根に10kW以上の設備を設置すれば、原則として事業用太陽光発電の制度区分になります。
10kW未満は住宅用、10kW以上は事業用として扱われる
| 比較項目 | 10kW未満 | 10kW以上 |
|---|---|---|
| 一般的な区分 | 住宅用 | 事業用(産業用) |
| FIT買取期間 | 10年間 | 20年間 |
| 2026年度の初期買取価格 | 24円/kWh(1~4年目) | 19円/kWh(1~5年目・屋根設置) |
| その後の買取価格 | 8.3円/kWh(5~10年目) | 8.3円/kWh(6~20年目) |
| 主な検討事項 | 余剰売電と自家消費 | 自家消費要件・売電方式・設備管理 |
※2026年度のFIT制度における住宅用・事業用屋根設置の代表的な区分。設備容量や認定条件により制度上の取扱いが異なります。

住宅用と産業用では売電期間と買取価格が異なる
2026年度の制度では、10kW未満の住宅用太陽光発電は10年間、10kW以上の事業用太陽光発電は原則20年間の買取期間が設定されています。
また、2026年度は導入初期の買取価格を高くする「初期投資支援スキーム」が採用されています。
例えば、住宅用では最初の4年間が24円/kWh、その後は8.3円/kWhです。
事業用の屋根設置では、最初の5年間が19円/kWh、その後は8.3円/kWhとなります。
つまり、最初の数年間の売電収入だけを見て投資回収を判断するのは危険です。
太陽光発電は長期間使用する設備なので、買取価格が下がった後の収益まで試算する必要があります。
10kW以上50kW未満では自家消費要件に注意する
10kW以上50kW未満の事業用太陽光発電でFIT認定を受ける場合、原則として地域活用要件が設けられています。
代表的な条件として、発電した電気の一定割合を設置場所で自家消費することや、災害時に電気を利用できる設備構成が求められます。
自家消費割合は原則30%以上ですが、共同住宅の屋根に設置する10kW以上20kW未満の設備には、自家消費量の基準について特別な取扱いがあります。
このため、アパートの屋根に10kW以上の太陽光発電を設置する場合は、単純に「30%を自家消費できなければ導入できない」と判断せず、設備容量と認定条件を確認する必要があります。
なお、自家消費量の基準に特別な取扱いがあっても、配線構造などの要件がなくなるわけではありません。
アパートでは10kW未満と10kW以上のどちらがお得?
どちらがお得かは、屋根面積だけでは判断できません。
例えば、共用部分の電力使用量が少ない小規模アパートでは、発電した電気の大半が余る可能性があります。
一方、エレベーターや給水ポンプなどを使用するアパートでは、昼間の電力消費が多く、発電した電気を有効活用できる場合があります。
重要なのは、設備容量を先に決めるのではなく、売電と自家消費の割合を確認することです。
アパートの太陽光発電で売電収入はいくら得られる?
アパートの屋根を活用するなら、売電収入がどの程度見込めるのか気になるところでしょう。
ここでは、計算方法と注意点を紹介します。
売電収入は発電量と売電割合で決まる
売電収入の基本的な計算式は次のとおりです。
年間発電量と年間売電電力量は同じではありません。
発電した電気の一部を共用部分で使用する場合、その分は売電できる電力量から差し引かれます。
10kWの太陽光発電を設置した場合の売電収入シミュレーション
例えば、次の条件で考えてみましょう。
- 太陽光発電の設備容量:10kW
- 年間発電量:10,000kWh
- 自家消費量:3,000kWh
- 年間売電電力量:7,000kWh
- 売電単価:19円/kWh
この場合、年間売電収入は次のようになります。
7,000kWh × 19円
年間133,000円
ただし、これは2026年度の事業用屋根設置の初期買取価格を使用した仮定の計算例です。
6年目以降の単価が8.3円/kWhとなる場合、同じ売電電力量でも年間売電収入は58,100円になります。
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実際の発電量は地域、屋根の向き、傾斜、影などによって変わります。また、上記の金額は維持管理費や税金などを差し引く前の金額です。
売電収入と維持管理費を比較する
太陽光発電は、設置すれば費用がかからなくなる設備ではありません。
- 定期点検や保守管理
- パワーコンディショナなどの機器交換
- 故障時の修理
- 保険料
- 屋根工事に伴うパネルの取り外し・再設置
こうした費用を含めて、長期的な収益を確認する必要があります。
売電収入だけで設備投資を回収できるかではなく、共用部分の電気代削減効果も合わせて考えることが重要です。
アパートの太陽光発電で共益費を下げられる?
アパートの太陽光発電は、売電収入を得るだけでなく、共用部分の電気代を削減する目的でも活用できます。
電気代を削減できれば、共益費の引き下げを検討する余地が生まれます。
共用廊下・階段・駐車場照明などの電気代を賄える
アパートでは、共用部分の電気代をオーナーが負担しているケースがあります。
太陽光発電の電気を共用部分に供給できれば、その分だけ電力会社から購入する電気を減らせます。
ただし、昼間に発電した電気を夜間の照明にそのまま使用することはできません。
夜間の電気代も削減したい場合は、蓄電池を導入する方法がありますが、追加費用を含めた検討が必要です。
共用部分の電気代を削減すると年間いくら浮く?
例えば、共用部分の電気代が月15,000円のアパートを想定します。
太陽光発電の導入によって月5,000円削減できた場合、年間の削減額は60,000円です。
| 項目 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 月間電気代 | 15,000円 | 10,000円 |
| 年間電気代 | 180,000円 | 120,000円 |
| 年間削減額 | 60,000円 | |
※数値は説明用の仮定です。実際の削減額を保証するものではありません。

共用部分の電気代は建物規模や設備によって異なるため、現在の電気料金明細を確認してから試算しましょう。
電気代の削減分を共益費に反映する方法
共用部分の電気代を削減できれば、その一部を共益費の引き下げに充てることも考えられます。
例えば、10戸のアパートで年間60,000円の電気代を削減できた場合、月額では1戸あたり500円に相当します。
ただし、削減額をすべて共益費に還元すると、その分だけオーナーが受け取る共益費収入も減少します。
電気代削減による利益と共益費引き下げによる収入減少を、別々に計算することが重要です。
また、既存の入居者について共益費を変更する場合は、賃貸借契約の内容や必要な合意を確認する必要があります。
共益費の引き下げは空室対策につながる可能性がある
入居希望者は、家賃だけでなく共益費を含めた毎月の支払総額を確認します。
そのため、共益費を引き下げることができれば、周辺物件との比較で有利になる可能性があります。
例えば、家賃60,000円・共益費3,000円の物件と、家賃60,000円・共益費2,500円の物件では、毎月の支払総額に差が生まれます。
ただし、共益費を下げれば必ず入居率が上がるわけではありません。立地や築年数、設備なども入居判断に影響します。
太陽光発電を設置する際は、共益費の削減が物件の競争力向上につながるかも検討しましょう。
アパートの太陽光発電は節税になる?減価償却の仕組み
アパートオーナーが太陽光発電を導入する際、売電収入と並んで気になるのが節税効果です。
ただし、太陽光発電を設置すれば必ず節税できるわけではありません。
太陽光発電設備は減価償却の対象になる
事業用として使用する太陽光発電設備は、税務上の要件を満たせば減価償却の対象になります。
例えば、取得費用が300万円の設備であっても、原則として300万円を設置した年にすべて経費計上するのではなく、法定耐用年数などに応じて分割して計上します。
太陽光発電設備では17年という耐用年数が用いられるケースがありますが、設備の用途や構成によって取扱いが異なる場合があります。
そのため、アパートの屋根に設置する設備の耐用年数は、個別に確認する必要があります。
売電収入は課税対象になる
売電によって得た収入は、所得税や法人税などの計算に影響します。
また、売電収入の所得区分や消費税の取扱いは、オーナーの事業形態や課税状況などによって異なります。
売電収入がある一方で、減価償却費や維持管理費などの経費も発生するため、収入と経費の両方を確認しましょう。
節税目的だけで導入すると失敗する可能性がある
節税効果が期待できても、設備の購入費用や工事費がなくなるわけではありません。
例えば、減価償却によって帳簿上の利益が減少しても、設備を購入するための現金支出は発生しています。
そのため、節税額だけで導入を判断すると、資金繰りに負担が生じる可能性があります。
アパート経営では、屋根の修繕費や空室への備えも必要です。
太陽光発電は節税対策だけでなく、売電収入と電気代削減によって投資を回収できるかを優先して判断しましょう。
アパートに蓄電池は必要?共用部分への活用方法
太陽光発電と合わせて蓄電池を設置すれば、昼間に発電した電気を夜間に使用できる可能性があります。
ただし、アパートの場合、蓄電池が必ず必要とは限りません。
太陽光発電で余った電気を蓄電池に貯める
太陽光発電は昼間に発電しますが、アパートの共用部分では夜間に電気を使用する設備もあります。
例えば、共用廊下や階段、駐車場の照明などです。
昼間の余剰電力を蓄電池に貯めておけば、夜間に放電して使用できます。
ただし、蓄電池には充放電ロスがあり、蓄電池に貯めた電気をすべて利用できるわけではありません。

夜間の共用廊下や階段の照明に利用する
蓄電池を導入するメリットの一つは、太陽光発電が停止する夜間にも電気を使用できることです。
特に、夜間の照明にかかる電気代が大きいアパートでは、蓄電池の活用を検討する余地があります。
ただし、共用部分の電気代がもともと少ない場合、蓄電池の導入費用を回収するのが難しくなることもあります。
まずは、共用部分で昼間と夜間にどれだけ電気を使用しているかを確認しましょう。
停電時に共用部分の一部設備をバックアップする
蓄電池は、停電時の電源としても活用できます。
例えば、対応する設備構成であれば、共用部分の一部照明や防犯設備などへの給電を検討できます。
ただし、蓄電池を設置するだけで、すべての共用設備が停電時に使用できるわけではありません。
エレベーターや給水ポンプなどは、必要な電力や起動時の負荷が大きい場合があり、専用の設計が必要になることがあります。
停電時に何を動かしたいのかを決めたうえで、蓄電池の容量や対応回路を確認することが重要です。
蓄電池の導入費用を回収できるか確認する
蓄電池は、太陽光発電と同時に導入すると便利ですが、設備費用が増加します。
また、蓄電池にも寿命があり、将来的な交換費用などを考慮する必要があります。
そのため、最初から太陽光発電と蓄電池をセットで導入するのではなく、まず太陽光発電だけで売電収入と電気代削減効果を試算する方法もあります。
蓄電池の必要性は、夜間の共用部分の電力使用量や停電対策の目的によって判断しましょう。
アパートでは10kW以上の太陽光発電を設置した方が儲かる?
アパートの屋根に十分な面積がある場合、10kW以上の太陽光発電を設置した方がよいのではないかと考えるかもしれません。
しかし、設備容量を大きくすれば必ず収益が増えるわけではありません。
設置容量を増やしても売電収入が比例して増えるとは限らない
太陽光パネルを増やせば発電量の増加が期待できます。
しかし、売電できる電力量は、自家消費量や契約条件、出力制御などによって変わります。
また、設備容量が増えると設置費用や維持管理費も増加する可能性があります。
発電量だけでなく、初期費用に対してどれだけの収益が得られるかを比較する必要があります。
共用部分の電気使用量が少ないアパートでは自家消費に注意
共用廊下の照明が主な電力消費となる小規模アパートでは、昼間の電気使用量が少ないことがあります。
その場合、太陽光発電で作った電気を共用部分だけでは十分に消費できない可能性があります。
10kW以上50kW未満のFIT認定では自家消費に関する要件があるため、制度上の条件も含めて確認が必要です。
特に、共同住宅の屋根に設置する10kW以上20kW未満の設備については特別な取扱いがあるため、施工業者に認定条件を確認してもらいましょう。
10kW未満と10kW以上で初期費用・維持管理費を比較する
設備容量を比較する際は、設置費用だけでなく、維持管理費も確認しましょう。
例えば、パワーコンディショナの台数や配線工事、点検方法などによって費用が変わることがあります。
アパートでは、屋根の防水工事や大規模修繕の予定も関係します。
将来的にパネルを取り外す必要がある場合、その費用も見込んでおくと安心です。
売電収入・節税・共益費削減を合わせて投資回収を判断する
アパートの太陽光発電では、次の3つを分けて考えることが重要です。
- 売電収入によって得られるお金
- 共用部分の電気代削減によって減る支出
- 減価償却などによる税負担への影響
このうち、売電収入と電気代削減額は、設備の収益性を考える際の基本となります。
一方、節税効果はオーナーの課税状況などによって変わるため、別に試算することが重要です。
また、共益費を引き下げる場合は、その分だけ共益費収入が減るため、削減額をすべてオーナーの利益として計算しないようにしましょう。
アパートの屋根に太陽光発電を設置する際の注意点
アパートの太陽光発電では、屋根の状態だけでなく、入居中の工事や将来の修繕計画にも注意が必要です。
屋根の防水工事や大規模修繕の時期を確認する
アパートの屋根は、定期的な防水工事や修繕が必要になることがあります。
太陽光パネルを設置した後に防水工事が必要になると、パネルの一時撤去や再設置が発生する場合があります。
そのため、屋根の防水層や屋根材の状態を確認し、大規模修繕の時期と合わせて設置を検討することが重要です。

屋根面積が広くても発電量が十分とは限らない
アパートの屋根が広くても、すべての面積に太陽光パネルを設置できるわけではありません。
屋根の形状や方角、周囲の建物による影、設備の設置スペースなどによって、設置可能な容量は変わります。
また、屋根の耐荷重や固定方法についても、専門業者による確認が必要です。
共用部分への配線工事と既存設備を確認する
共用部分の電気代を削減したい場合、太陽光発電の電気を共用設備に供給できる配線構成が必要です。
アパートの電気設備は建物によって異なり、共用部分の電気契約や分電盤の位置なども確認する必要があります。
既存設備の状態によっては、追加の配線工事や機器の設置が必要になる場合があります。
入居中の工事では騒音・停電・安全対策が必要
入居中のアパートに太陽光発電を設置する場合、工事による影響にも配慮が必要です。
例えば、足場の設置、屋根での作業音、搬入車両の駐車、共用設備の停電作業などが考えられます。
工事内容によっては、入居者への事前案内や日程調整が必要です。
設備費用だけでなく、入居中の工事に対応できる施工業者を選ぶことも重要です。
アパートの太陽光発電は売電と自家消費のどちらがお得?
太陽光発電の収益性を高めるには、売電と自家消費のどちらを優先するかが重要です。
売電を優先した方がよいケース
共用部分の電気使用量が少なく、発電した電気を十分に消費できない場合は、余剰電力の売電が収益の中心になることがあります。
ただし、設備容量や認定条件によって売電方式に制約があるため、制度上認められる範囲で計画する必要があります。
共用部分で自家消費した方がよいケース
エレベーターや給水ポンプなど、昼間にも電気を使用する設備があるアパートでは、自家消費による電気代削減が期待できます。
自家消費の経済的な価値は、売電単価と購入する電気の料金を比較して判断します。
ただし、電気料金には基本料金や各種調整額なども含まれるため、購入電力量が減った割合と電気料金の削減率が必ず一致するわけではありません。
売電と自家消費を組み合わせる方法
昼間に共用部分で使用する電気を太陽光発電で賄い、余った電気を売電する方法もあります。
この方法なら、電気代削減と売電収入の両方を期待できます。
ただし、設備容量や契約方式によって条件が異なるため、設置前に確認が必要です。
蓄電池を追加する前に確認すべきこと
蓄電池を導入すると夜間にも太陽光発電の電気を使用できますが、その分だけ設備費用が増えます。
そのため、まずは蓄電池なしでの売電収入と自家消費による電気代削減額を試算しましょう。
そのうえで、夜間の電気代削減や停電対策の価値が追加費用に見合うかを判断することが重要です。
アパートの太陽光発電で失敗しない施工業者の選び方
アパートの太陽光発電では、設置費用の安さだけで業者を選ぶのはおすすめできません。
売電制度や共用部分への電力供給、屋根の修繕計画まで考慮できる業者を選ぶ必要があります。
集合住宅への設置実績がある業者を選ぶ
一般住宅への太陽光発電と、アパートなどの集合住宅への設置では、確認すべき内容が異なる場合があります。
特に、共用部分への配線や入居中の工事、設備容量に応じた売電制度への対応などが重要です。
家庭用太陽光発電の施工経験が豊富でも、集合住宅の案件に十分対応できるとは限りません。
見積もりを依頼する際は、アパートへの設置実績があるか確認しましょう。

売電収入と共用部分の電気代削減を別々に試算してもらう
見積もりを比較する際は、年間発電量だけでなく、次の内容も確認しましょう。
- 年間の想定売電電力量と売電収入
- 共用部分で自家消費できる電力量
- 年間の電気代削減額
- 初期費用と維持管理費
- 売電単価が下がった後の収益
- 設備の交換費用を含めた投資回収期間
売電収入だけでなく、共用部分の電気代削減額も含めて比較することで、導入後の収益を把握しやすくなります。
防水工事・配線工事・維持管理費まで比較する
太陽光発電の見積もりには、太陽光パネルやパワーコンディショナだけでなく、さまざまな工事費用が含まれます。
特にアパートでは、屋根の防水工事や共用部分への配線工事など、建物ごとに必要な費用が異なります。
見積金額だけを比較するのではなく、どこまでの工事が含まれているか確認することが重要です。
複数社の見積もりで導入費用を比較する
太陽光発電の設置費用や提案内容は、施工業者によって異なります。
同じアパートでも、提案する設備容量や売電・自家消費の割合、蓄電池の有無によって費用対効果が変わることがあります。
そのため、1社だけで判断せず、複数社の見積もりを比較することをおすすめします。
なお、見積もりサービスを利用する場合は、アパートなどの集合住宅や事業用太陽光発電に対応しているか、申し込み前に確認しましょう。
まとめ|アパートの太陽光発電は売電・節税・共益費削減を総合的に判断する
アパートの屋根に太陽光発電を設置すれば、売電収入を得たり、共用部分の電気代を削減したりできる可能性があります。
さらに、電気代の削減分を共益費の引き下げに活用すれば、周辺物件との差別化につながることも考えられます。
ただし、導入する際は次の点を確認することが重要です。
- 10kW未満と10kW以上では売電制度が異なる
- 住宅用と事業用では買取期間や買取価格が違う
- 売電収入だけでなく共用部分の電気代削減額も確認する
- 減価償却による節税効果は税務上の条件によって異なる
- 共益費を引き下げる場合はオーナーの収支への影響も考える
- 蓄電池は夜間の電力使用量や停電対策の目的に応じて判断する
- 屋根の修繕計画や将来の維持管理費も含めて比較する
特に、アパートの太陽光発電は設備容量を大きくすれば必ず儲かるわけではありません。
売電収入・共用部分の電気代削減・設備の維持管理費を総合的に比較して、長期的に利益が残るかを判断しましょう。
まずは複数社に見積もりを依頼し、自分のアパートに適した設備容量や導入方法を比較することをおすすめします。
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