太陽光を提案したお客様からの質問で多いのが、台風などの自然災害時の保証についてです。
災害が原因の故障について、メーカーの製品保証で対応できる思っているお客さんも多いのですが、実は対象外なんです。

えっ、保証されないの?先日、見積もりもらった業者から保証されるって聞いたけど。。。

業者の中には理解していないのか、あるいは意図的にそう答える人もいます。
また、業者から正しい説明を受けていても、太陽光の保証の部分はわかりづらく正しく認識されていない場合もあります。
今回は台風など災害時の保証の注意点や対策を紹介します。
太陽光のメーカー製品保証は対象外
一般的に、ソーラーパネルには15年以上のメーカー保証が付いていますが、この保証は初期不良や自然故障に対応しているだけで、火災や自然災害には対応していないことがほとんどです。
もし火災や自然災害に備えたい場合、自然災害補償をオプションで付ける必要があります。
ただし、このオプションはすべてのメーカーが提供しているわけではなく、補償範囲や期間も異なるため、内容をよく確認することが重要です。
補償期間には制限があり、例えば10年や15年などと定められている場合が多いので、補償が終了する前に再確認することが大切です。
台風被害を保険や保証でカバーする方法
住宅用火災保険
住宅に設置した太陽光パネルや設備は、自然災害をカバーする住宅用火災保険に加入することで補償されます。
ただし、住宅用火災保険では水害や飛来物の落下、盗難などがカバーされない場合もあります。
補償範囲を広げたいなら、動産総合保険を含む住宅総合保険への加入を検討することをおすすめします。
また、架台設置型の太陽光パネルは、火災保険ではなく家財保険で補償されることがあります。
保険会社や設置業者に相談して、どの保険が適用されるか確認しましょう。

すでに加入している火災保険でカバーできる可能性があるため、まずは保険会社に確認しましょう。
オプションの自然災害保証
太陽光パネルメーカーの発電システム保証は、通常使用時の故障にしか適用されないため、台風などの自然災害による被害には対応できません。
ただし、オプションで自然災害保証を用意しているメーカーもあります。自然災害保証に加入しておけば、被災時の修理費用などをスムーズに補償してもらえます。
これから太陽光を導入される方は提案を受けたメーカーが自然災害保証を用意している確認しましょう。
■自然災害保証をオプションで用意しているメーカー
メーカー | 期間 | 備考 |
カナディアンソーラー | 設置から10年 | 補償額は1システムあたり200〜1000万円 |
パナソニック | 系統連系日から15年間 | 地震・噴火・津波・盗難などは補償対象外 |
ハンファQセルズ | 系統連系日から10年間 | 1回の災害で全損となった場合は、支払後にこの損害補償制度は終了 |
エクソル | 設置完了日から10年間 | 販売店が加入費を負担 |
太陽光パネルの飛散により人に損害を与えた場合
太陽光パネルが飛散して人に損害を与えた場合、製品保証や火災保険では補償されません。
第三者への損害は自然災害保証の適用外
自然災害保証は、台風で太陽光パネルや設備の設置者自身が受けた被害をカバーしますが、太陽光パネルが飛散して他の人に損害を与えた場合、その人の身体への補償は対象外となり、適用されません。
賠償責任保険の加入が必要
第三者への補償を行うのが「賠償責任保険」です。
この保険は、第三者の身体や所有物への損害を補償し、太陽光発電設備が原因となる被害に対しても損失補償が行われます。
太陽光パネルが台風で飛ばされた場合の対処法
台風に備えて準備をしていても、予想外の被害が発生することはあります。
ここでは、もし太陽光パネルが台風で飛ばされた場合の適切な対処法について説明します。
誤った対応をすると、さらに大きな被害を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
被害状況を確認する
台風が過ぎて外に出られるようになったら、まずは被害状況を確認します。
ただし、壊れた設備に不用意に近づくのは危険です。
最初に、発電量モニターで稼働状況を確認したり、目視で太陽光パネルに損傷がないかチェックします。もし異常が見つかった場合は、すぐに業者に連絡して点検を依頼しましょう。
可能であれば電源を切る
台風で太陽光パネル設備が被災すると、パネルや架台の損傷に加えて、配線ケーブルが断線している可能性もあります。
断線を放置すると、漏電による火災や感電といった二次被害のリスクが高まるため、十分に注意して対応しなければなりません。
また、太陽光パネルは発電機能を持っているため、故障していても発電し続けている場合があります。
そのため、被害状況を確認した後、可能であれば電源をオフにすることが最も適切な対処法です。
電源をオフにする作業も、間違えると大きな危険を伴うことがあります。
できるだけ販売店や業者などの専門家に依頼するのが安全です。
やむを得ず自分で作業する場合は、絶縁対策を行い、素手で触れないようにして、安全を確保したうえで作業を行うことが大切です。
感電や漏電には要注意
飛散した太陽光パネルや設備による感電や漏電には十分注意が必要です。
システムが停止していても、すでに発電された電気がケーブル内に残っていたり、雨水が浸水することで、感電の危険は完全には無くなりません。
そのため、業者による飛散したパネルの回収や適切な漏電・感電防止処置が終わるまでは、機器に触れないようにしましょう。
また、状況に応じて「触るなキケン」といった注意喚起の表示を周囲に行うことも必要かもしれません。
複数の業者で保証内容も比較
太陽光の業者は見積もりの安さだけでなく、保証内容もしっかり比較したうえで選びましょう。
また認識のずれを防ぐために口頭で確認するだけでなく、補償内容が明記された資料を受け取るようにした方がいいですね。
まとめ
太陽光パネルは自然災害に強いとされていますが、台風などの極端な天候により損傷を受けることもあります。
太陽光発電システムには、製品保証や火災保険が適用されますが、これらは通常使用時の故障に限られ、台風による被害には対応していません。
そこで、自然災害に備えるためには、住宅用火災保険や賠償責任保険など、追加の保険への加入が重要です。
特に台風による太陽光パネルの飛散や損傷には、専門の保険でカバーできる範囲を確認しておくことが大切です。
また、設置業者によっては自然災害補償を提供している場合もあるため、事前に確認し、必要な補償を確保しておきましょう。
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