太陽光発電は、環境に優しいだけでなく、電気代の削減にも繋がるため、多くの家庭や企業で注目されています。
その中でも、特に注目を集めているのが「マキシオンパネル」です。
高い効率性や耐久性を誇るこのパネルは、太陽光発電市場でどんどん人気を高めています。
気になっているんだけど実際のところどうなの?
この記事では、現役の太陽光販売業者の視点から、マキシオンパネルの魅力だけでなく、知っておきたいデメリットについても、わかりやすく解説していきます。
太陽光発電の導入を検討しているあなたにとって、きっと役立つ情報が満載です!
マキシオン
マキシオンはアメリカ・カリフォルニア州に本社を構える、太陽光パネルの大手メーカーです。
特にアメリカ市場では「Maxeon」ブランドとして広く知られており、その高い技術力を誇り、業界で大きなシェアを獲得しています。
マキシオンは現在、世界100カ国以上で太陽光パネルの製造と販売を行っており、その技術は世界中で評価されています。
日本国内では、もともとは「サンパワー」ブランド名で認知されていましたが、2021年に社名が「サンパワージャパン」から「マキシオンジャパン」に変更されました。
しかし、アメリカ本社のサンパワーは経営が悪化し、2024年に破産を申請することになりました。
サンパワーは、アメリカ国内でもマキシオンジャパンと同様に高効率の太陽光パネルと信頼の保証を強みとしていましたが、資金繰りの悪化により、事業の継続が難しくなってしまいました。
マキシオンパネル
マキシオンパネルについて簡単にご紹介します。
(出典:マキシオン公式HP)
マキシオンパネル高効率を誇る製品で従来の太陽光パネルと比較して、同じ面積でより多くの電力を生成できる特徴があります。
そのため、限られた屋根面積を最大限に活用することができ、都市部の住宅やスペースが限られている場所でも有効です。
また、マキシオンパネルは耐久性にも優れており、長期間にわたって安定した発電を提供することができます。
このような特性から、特に効率性や長期的な運用を重視する人々に人気があります。
保証が40年と長いことから、新築のお客さんから問い合わせが多いです。
マキシオンパネルの価格
さて、気になるのはその価格です。マキシオンパネルの価格は、通常の太陽光パネルよりもやや高めとなっています。
これは、マキシオンパネルが高効率の技術を使用しているためです。
価格の目安
一般的に、マキシオンパネルの価格は1Wあたり300円〜400円程度とされています。
これを基に、例えば3kW(3000W)のシステムを導入する場合、総額で約90万円〜120万円程度の費用がかかることが予想されます。
ただし、設置するための費用(架台や配線、工事費用など)も別途かかるため、実際の総額はこれに工事費用を加算した金額になります。
工事費用は、地域や業者によって異なりますが、だいたい10万円〜30万円程度が相場です。屋根の形状や高さ、足場設置の有無で金額が変わります。
価格に影響する要因
マキシオンパネルの価格は、パネルの出力容量、設置場所、業者によっても変動します。
また、太陽光発電システム全体の価格は、パネル単体の価格だけでなく、パワーコンディショナーや蓄電池、工事費用などが加算されるため、トータルでのコストを確認することが大切です。
マキシオンパネルのメリット
変換効率の高さ
マキシオンの太陽光パネルは、発電効率がとても高いことで知られています。
「発電効率」というのは、太陽光パネルがどれくらい効率よく太陽の光を電気に変えるかを表す数字です。
簡単に言うと、「パネルの面積がどれくらいの電気を作れるか」を示しているんですね。
住宅の屋根は面積が限られているため、できるだけ小さなスペースでたくさんの電気を作れる太陽光パネルがとても役立ちます。
マキシオンの太陽光パネルは、その発電効率が22.6%で、これは他の一般的な住宅用太陽光パネルよりも約2%高い数字です。この効率の高さは、住宅用パネルの中ではトップクラスの性能です。
耐久性の良さ
マキシオンの太陽光パネルは、高い性能を実現するために、パネルの作りを何度も改良しています。そして、気候の変化にも耐えられる強い構造を持っています。
マキシオンのアメリカ本社の社長は、「40年以上使えるパネルを届ける自信がある」とインタビューで話しています。
実際に、マキシオンはそのパネルに40年間の出力保証をつけていて、これは長い間使っても一定の電気を作り続ける自信があるという意味です。
保証の長さ
マキシオンは、業界で最も長い40年の製品保証を提供しています。
他のメーカーでは、製品保証が15年から25年の間であることが多いのに対して、マキシオンの40年という保証期間は大きな特徴です。
この長い保証期間は、製品の信頼性や耐久性に自信がある証拠です。
マキシオンの太陽光パネルには、製品保証だけでなく、出力保証もついています。
例えば、40年目にパネルの発電量(出力)が88.3%を下回った場合、出力保証が適用され、補償が受けられます。
マキシオンは、他の主要なメーカーと比べて、出力保証の期間が長く、また保証される発電量(出力)の数値も高い点が特徴です。
マキシオンパネルのデメリット
高効率なマキシオンパネルですが、もちろんデメリットも存在します。
どんなに優れた技術でも、いくつかの欠点があることを理解しておくことが重要です。
初期費用が高い
最も大きなデメリットは、やはり「初期費用が高い」点です。
高効率な分、導入コストは通常のパネルよりも高くなるため、特に予算に限りがある方にとっては導入のハードルが高くなります。
しかし、長期的には電気代の削減効果が期待できるため、元を取るまでの期間は意外と短くなる場合もあります。
拠点が少ない
マキシオンは日本市場では後から登場したメーカーであり、製品の価格が高いため、取り扱っている施工業者の数が少ないのが現状です。
そのため、お客様が住んでいる地域や代理店の混雑状況によっては、案内できない場合が多くあります。
また、マキシオンの日本における拠点は東京都品川区に1か所だけです。ほかの海外メーカーは日本国内に複数の拠点を持っていることが多いですが、マキシオンは1か所のみです。
今後、正規販売代理店が増えても、サポート拠点が少ないため、他のメーカーと比べてメンテナンスが遅くなる可能性があります。
パネルの種類が少ない
マキシオンの高効率パネルは、400Wと375Wの2種類だけで、サイズは1690×1046×40mmと決まっています。
ハーフサイズやコーナーパネルはないため、屋根に合わせて効率よく積み重ねることが難しい場合があります。
太陽光パネルを設置する際は、屋根の形や大きさによって設置できるパネルの数が大きく変わるため、注意が必要です。
40年保証はオーバースペックの可能性も
マキシオンの製品保証と出力保証は40年間あり、一般的な太陽光パネルよりも長く使用できる点が大きなメリットです。
40年後、現在の住宅に住み続けているかはわかりません。引っ越して駅近のマンションに住んだり、二世帯住宅に住んだり、場合によっては施設に入ることも考えられます。
そのため、40年保証が必要かどうかはよく考えるべきです。
また、太陽光パネルの技術は進化しており、ペロブスカイトなど新型のパネルが注目されています。
将来的には、コストパフォーマンスや性能の優れた商品が販売されている可能性が高く、40年を待たずに新しい商品への切り替えが多くなると考えられます。
購入前に他のメーカーとの比較も忘れずに
マキシオンはネット上で高品質の太陽光パネルと評価されていますが、実際のところどうなのでしょうか?
たしかに、高品質なのは変わりありませんが、この記事を書いている現時点でいうと一番ではありません。
他にもっといいパネルがあるの?
太陽光パネルの品質は発電効率に注目が集まりがちですが、結局のところは1枚あたり、1㎡あたりの発電量で判断すべきです。
参考までにマキシオンとカナディアンソーラーのパネルを比較してみましょう。
両社ともパネルの寸法が違うため、1㎡あたりの発電量とパネルの劣化率も出してみました。
マキシオン | カナディアンソーラー | |
型番 | SPR-MAX3-400 | CS6.2-48TM-455 |
寸法(mm) | 1690×1046×40 | 1762×1134×30 |
1枚当たりの発電量(W) | 400 | 455 |
1㎡たりの発電量(W) | 226.2 | 227.7 |
1㎡たりの発電量(W) | 226.2 | 227.7 |
製品/出力保証(年) | 40/40 | 25/30 |
年間劣化率 | -0.25% | -0.40% |
1kWあたりの相場 | 約40万円 | 約28万円 |
いかがでしょうか?1枚当たりのW数も、1㎡あたりのW数はカナディアンソーラーが上回っていることがわかります。
ネットの情報を鵜呑みにして、マキシオン一択で決めるのはもったいないです。
製品保証や出力保証については、マキシオンが上回っていますが、1kWあたりの相場を比較すると、10万円以上マキシオンが高いため、必ずしもお得とはいえません。
まずは他のメーカーとも比較して、決めた方がいいでしょう。
まとめ
マキシオンパネルは、高効率で発電量を最大化できる優れた太陽光パネルですが、導入には一定のコストがかかります。
また、発電効率が設置環境に依存するため、全ての家庭に最適というわけではありません。
他のメーカーの製品との比較を行い、適切な選択をすることが重要です。
太陽光発電を導入する際は、マキシオンパネルを選ぶかどうかはもちろんですが、設置場所や予算に合わせた最適なシステム設計が求められます。
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