太陽光発電システムの固定買取終了や電気代の高騰で蓄電池の導入を検討する家庭が増えています。
しかし、太陽光パネルと違って蓄電池はメーカーや種類によって性能や価格がバラバラです。蓄電池選びに失敗しないためにも、相場を知る必要があります。
今回は蓄電池のメーカーやタイプ別に2023年の相場をまとめてみました。
家庭用蓄電池の相場と特徴
家庭用蓄電池の価格は、メーカーや蓄電池の容量、タイプによってピンキリです。
本体価格+工事費込みの平均の相場価格は約80万~200万円で、1kWhあたり15万円~21万円となっています。

目安としては経済産業省の資料による蓄電池の相場(施工費込み)が参考になります。
蓄電システム価格+施工費=18.7万円/kWh
つまり、欲しい蓄電池の容量にこの単価をかければ相場がわかります。
例)
・5kWhの蓄電池:5kWh×18.7万円/kWh=93.5万円(税込102.85万円)
・10kWhの蓄電池:10kWh×18.7万円/kWh=187万円(税込205.7万円)
蓄電池主要メーカーの7社の相場や特徴を紹介します。
1.パナソニック
業界最安値ともいわれているパナソニックの蓄電池。パナソニックといえば、国内の家電メーカーでも知名度トップですし、EV用車載電池(リチウムイオン電池)での世界トップシェア。
安全性を重視しているメーカーです。容量的に2、3人家族向けです。パナソニックの家庭用蓄電池の相場は200万円前後です。
2.シャープ
シャープの蓄電池は6.5kWh、9.5kWh、13kWh(6.5kWh×2台)の容量があり、停電時に家庭の電気をまるごとバックアップできる全負荷型です。200Vも対応しているのでエアコンも使えます。
シャープの蓄電池の相場は6.5kWhが150万円前後、13kWhが240万円前後です。
3.ニチコン
ニチコンの蓄電池の特徴は蓄電池の種類が豊富なことです。単機能、ハイブリット、トライブリッド蓄電システム、ポータブル蓄電システムの4つあり。
この4つ種類をそろえている数少ないメーカーです。また蓄電容量16.6kWhは業界トップクラスの容量です。相場は以下の通りです。
・単機能 998,000円~4,500,000円
・ハイブリット 4,200,000円
・トライブリット 900,000円~1,100,000円
・ポータブル 550,000円
4.オムロン
オムロンといえば体温計を思い浮かべる人も多いはずが、太陽光発電システムのパワーコンディショナーを供給しています。
オムロン蓄電池の価格相場は143万円~176万円です。
(4.2kWh、6.5kWh、9.8kWh)
6.5kWhと9.8kWhは長州産業に同じ蓄電池をOEM供給しています。
5.京セラ
京セラは日本で初めて住宅用太陽光発電システムを販売した会社で、
蓄電池の価格相場は135万円~200万円(5.0kWh,10.0kWhとなっています。)
6.テスラ
イーロン・マスクで有名なテスラ社の家庭用蓄電池。
容量は家庭用蓄電池トップクラスの13.5kWh。
加えて圧倒的な低価格なので、蓄電池を検討するなら候補に入れておきたいメーカーです。全負荷型で停電時には家庭の電気をまるごと賄うことができます。
テスラの蓄電池の相場は180万円~200万円
7.ファーウェイ
ファーウェイの蓄電池の特徴は1台5kWhですが、追加で容量を10kWh、15kWhと容量を増やしていくことが可能です。また特定負荷、全負荷と選ぶことができます。
ファーウェイの蓄電池の価格相場は、
5kWh:100万円~120万円
10kWh:150万円~170万円
テスラ同様にkWhあたりの相場は安く、性能がいいので導入費用を抑えるなら候補に入れておきたいメーカーです。
蓄電池設置の工事内容
蓄電池設置にかかる工事内容はメーカーによって違いはありますが、大きくわけて4つです。工事にかかる日数の目安としては5時間~8時間です。
蓄電池ユニット
蓄電池ユニットの設置場所を屋内or屋外にするかによっても違います。メーカーによっては壁掛けであったり、基礎工事が必要です。
パワコン
パワコンの工事は単機能型の蓄電池とハイブリット型の蓄電池で違います。
・単機能型
既存の太陽光発電システムのパワコンとは別に蓄電池のパワコンが必要なため、太陽光を組み合わせる場合はパワコンを2台設置することになります。
・ハイブリット型
蓄電池側のパワコンで太陽光で発電した電気の変換を行うことができるので、パワコンが一つで済みます。
既存の太陽光発電システムのパワコンの交換のタイミングでハイブリット型の蓄電池を導入すれば、費用を抑えることができます。
モニター
運転モードの切り替えや発電量の確認などを行うモニターの設置工事です。
室内の壁に設置する機種が多いのですが、テスラやファーウェイなどメーカーはスマホアプリで管理できるのでモニターの設置が不要です。
分電盤
分電盤の工事は「特定負荷型」か「全負荷型」の2通りあります。
特定負荷型の場合
特定負荷とは事前に指定された回路の電気を使用することができます。家庭にある分電盤のうち1~2回路分(冷蔵庫やリビングなど必要最低限)が停電時に使用できます。
全負荷型の場合
全負荷型の場合、電気の契約内容にもよりますが、分電盤のすべての回路をカバーします。
200Vに対応している商品が多いためエアコンやIHクッキングヒーター、エコキュートなど使用できます。全負荷なら停電時にはほぼ普段通りに使えます。
蓄電池設置に必要な申請
蓄電池を設置するときに電力会社と国に申請が必要な場合があります。
どちらも施工業者から申請するケースがほとんどなのでご自身でやることはほぼないと思います。不明な場合は施工業者に確認しておくと安心です。
電力会社への申請
電力会社への申請は自家用発電設備等の系統連携に関する契約が必要です。
基本的にはこの申請が通らないと工事ができません。グレーな方法ですが、業者によっては申請と工事を同時並行で行う場合もあります。
書類のやりとりなども含めて基本的には申請から1か月~1か月半程度で電力会社の許可がおります。

地元の自社施工の業者の場合は電力申請が済んでから工事、訪問販売の業者は工事と申請を同時に進める会社が多いです。
国への申請
太陽光発電システムと蓄電池を併設の場合は太陽光発電の事業計画認定で蓄電池の申請が必要です。10kw未満の太陽光発電の場合は蓄電池によっては申請が不要な場合もあります。
太陽光発電がなく蓄電池のみ設置する場合は申請は不要。
FIT認定を受けている場合は、後付けで蓄電池を設置した場合に変更申請が必要。
工事費用を安くするためのコツ
蓄電池の工事費を安くするためにも複数の業者から見積をとることをおススメします。
見積を依頼する業者選ぶ際は工事を下請けに依頼している販売業者だけでなく地元の実績が豊富な自社施工の業者も必ず加えて比較しましょう。
施工実績が豊富な地元の優良企業へ見積を依頼するなら下記の比較サイトを使うのもいいと思います。ソーラーパートナーズなら評判のいい地元の自社施工店に簡単に見積依頼できます。
まとめ
今回は2023年の蓄電池のメーカー、タイプ別の相場を紹介しました。
既に見積を取られている場合や、これから見積を業者に依頼する場合でも見積サイトを使うことで、蓄電池の相場を知ることができます。
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